大学生時代を振り返っていて,ふと思ったこと

大学生になった当時は...

私は高校時代から理系に属しており,大学の専攻も理系の学問であった.

大学に入った当初から,「理系大学生は大学院(特に修士課程まで)に進むのが当たり前」のような風潮があり,私自身も何となく修士号を取得してから就職するものなのだろうと考えていた.

 

転機

漠然と,大学院へと進む思いを持ったまま,大学3年生となり研究室へと所属した.

同期とも週何度かゼミを開催して,勉学に励んでいた.

そして,毎年恒例となっている合宿に参加する.

この合宿が大きな転機となる.

それぞれ持ち時間内で大学3年生から院生まで全員が自身の研究をプレゼンしていく.

形式は10分ほど発表して,5分ほど質疑応答をするという至ってシンプルな形式だ.

しかし,大学院生の発表となり,オーディエンスとして聞いていた時に自身の考えを大きく変えることが起こる.

 

通常,オーディエンスは発表に対してツッコミや不満があっても静かに聞いていて,質疑応答の際に発言を行う.

しかし,この大学院生の発表になった途端,聞いていたOBや院生等の聞き方が変わる.

発表者である大学院生が発表している途中でも,オーディエンスがお構い無しに矢継ぎ早にツッコミを入れるのである.

勿論,ツッコミを入れているオーディエンスもその大学院生の研究をより良くするために,やっていたのだろう.

ただ,もしかしたら後のページでその疑問点について話す可能性があるし,何せ全体像をオーディエンスにわかって分かってもらえないままタイムアップとなってしまう.

 

ここから感じたこと

 

元々,アカデミックの世界は世間の中でもかなり変わっている方だとは聞いていた.

このことは実際本当であると感じたし,よりクローズな社会形成にもなっていることから,このような特殊な状況も生まれるのだろう.

この経験から,私は漫然と考えていた大学院進学をやめ,学部卒で就職することにした.

 

まとめ

その後,無事就職活動もうまくいき,就職することができた.

実際今から振り返っても,大学院に進学しなくて正解だったと思う.

就職活動においても,全く不利にならなかったし,仕事内容は入社後の研修で十分であった.

 

近年,日本国内において博士号取得数が減っていることも取り上げられ,主な原因として金銭面や経済的な要因が挙げられる.

勿論,このような要因が大きな原因であることは明白である.

しかし,私は上記のような経験もしていることから,このような特殊な社会に嫌気がさして,特に博士課程への進学(俗に言うD進)をやめる人も少なくないように思う.